私がケアマネージャーとして担当した方の話①-2

ケアマネージャー

最後にもう一度家に帰りたい

入院から1か月後、また病院の相談員さんから連絡がありました。

入院の時より状態がよくなっていて、本人がまた退院して自宅に帰りたいと言ってるので、話を聴きに来てほしいということでした。

家に帰れる状況なのかな?思いながら病院に行き面会したところ、歩行器があれば歩くことができるようになってました。

すごいがんばりです。

本人から「先生からは緩和ケアに行った方がいいと言われたけど最後にもう一度家に帰りたい」と言われました。

「最後にもう一度家に帰りたい」なんて言われたら叶えるしかないじゃないですか。

前回より少し弱々しくは見えましたが、口は相変わらず達者なのでやるしかないですよね。

今回は、デイサービス、福祉用具に加え、訪問看護を入れることを条件にサービスを調整しました。

そして、退院前に事業所の方を全員病院に集めて、退院後どうして支援していくのかを本人と相談員さんを交えてしっかり話し合いました。

退院当日のこと

退院は午前中にしてもらい、午後一番で私と訪問看護の方とで自宅を訪問しました。

初回訪問時に看護師さんだけ行っても、家に入らせてもらえない可能性があったので、私も同行したんです。

まずは私が先に行って、本人の気持ちを盛り上げます。

言い忘れていましたが、この方の家・・・ごみ屋敷です( ̄▽ ̄;)

本人にとっては大切なものなんですが、私から見たらゴミにしか見えないものが山積みで歩くのがやっとのスペースしかありません。

他人を家にあげたくないのはこれのせいもあると思います。

リビングの大半をゴミで埋め尽くされているんですが、何とかソファに本人が座るスペースを作り座っています。

私はその近くの狭いスペースに椅子を置いて座りました。

そしたらですよ、「やっぱり看護師さんは来てほしくない」って言いだすんですよ。

もー・・・

こんなことになると思った(# ゚Д゚)

まぁ、私の中では想定内なので、なんとかなだめて看護師さん登場です。

看護師さんが来てからも、イヤだイヤだと言われながら2時間くらい説得して、とりあえず2週間だけ来てもらうことで折り合いが付きました。

その日の晩御飯や薬、飲み物などを机の上にセットして、その日は帰りました。

そして、翌日看護師さんが訪問したところ、動けなくて、体調が悪くなっていて、そのまま救急搬送でまた病院に入院となりました。

その後

入院している間、面会に行きたかったんですが、コロナウィルスが流行していたので面会に行くことができませんでした。

なので、相談員さんには何度か電話をして、どうされているかは聞いていました。

入院後、主治医から緩和ケア病棟を勧められ、その20日後に転棟されたそうです。

しばらくはお元気で、食事も食べて冗談も言ったりして楽しく過ごされていたご様子でした。

そろそろ面会できるかなと思い連絡したところ、意識がなくなってきていると聞きました。

その数日後に逝去されたと連絡をもらいました。

最後に自宅に帰ってから約3か月、緩和ケア病棟に移って2カ月弱でした。

最期まで、自分の意志で生き抜いたなとうらやましく思います。

本当に強い女性でした。

たくさん勉強させていただいて感謝しています。

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