はじめに
認知症がひどい方でしたが、一人暮らしをされていました。
認知症でも、ご家族とご近所の支えがあれば、ぎりぎりまで在宅生活ができます。
でも、やっぱり、高齢の方が最後まで一人暮らしを続けることは難しくて、色々な問題が起きました。
そんな方のことをご紹介したいと思います。
その方に出会った時のこと
要介護3で認知症がひどい当時92歳の方です。
足は強くて問題なく歩くことはできます。
庭の柿の木に登ったりもされていました( ´艸`)
最初にお会いした時は少し会話ができていたし、猫を飼っておられたので自分で動物病院にもなんとか連れていくことができていました。
当時は何のサービスも利用されていなくて、一人暮らし。
車で1時間くらいのところに娘さんが住んでいて、月に3回くらい訪問されていました。
食事は自分でコンビニに買いに行って食べておられた様子。
でも本当に、毎食食べていたのかはわかりません・・
トイレはきれいに使っておられて、失敗することもないみたいでした。
家もお掃除はできていない感じでしたが、きれいに整頓されていました。
元々は、なんでもきちんとされていた方だったんです。
ちなみに、書道8段、日本舞踊の師範、組紐がお上手で帯締め等を作っておられました。
帯締めって手作りできるんだとこの時知りました。
お風呂だけは入れていなかったので、とりあえずデイサービスとヘルパーを使えるように調整しました。
デイサービスは問題なく行くことができましたが、ヘルパーはダメでしたね。
やっぱり主婦だった方って、自分の家に知らない人が来て、掃除とか料理をすることを嫌う方が多いんです。
デイサービスも問題なくいくことはできましたが、お風呂は絶対拒否!
どんな手を使ってもダメでした。
よくよく観察していくと、どうも自宅で身体を自分で拭いておられたようでした。
たまーにデイサービスでお風呂に入れることができていたので、ヨシとしました。
なんで娘さんと一緒に住まないの?施設に入らないの?と思われた方もいると思いますが、娘さんも住み慣れたところで一人暮らしを続けてほしいと思っていたし、私もまだ大丈夫だと思ったんです。
徐々に認知症が進行していきます
この方、3年くらい担当させていただいたんですが、徐々に認知症が進行していかれました。
まずは、会話ができなくなりました。
こちらが言うことは理解されている様子でしたが、返される言葉の意味がわからなくなりました。
でも、私が話をしているときはしっかり聴いてくださるし、ニコニコしてお返事をしてくれるので、たくさんお話をさせてもらいました。
そのうち、ご近所の家を訪ねていくようになられます。
一般的に言う徘徊というんでしょうか。
たまに、デイサービスのお迎えの時にいなくて、私も捜索に出かけたことがありますが、たいてい昔通っていた公民館みたいなところにおられました。
もしくは、タクシーで娘さんの家に行こうとして、行き先を伝えられなくて警察に保護されているかでしたね。
徘徊って言いますが、本人的にはちゃんとした目的があるんですよね。
公民館には、昔習い事に通っていたから行かなきゃと思われたんだと思います。
ご近所の家を訪ねる時には、「自分の子供が帰ってこない」と心配して聞きに行っていたようでした。
娘さんのところに行くのは、ご飯を作ってあげたいと思っているご様子でした。
なので、交流のあるご近所さんや、近くの障害者施設、お店、交番などに顔写真を持っていって、迷っていたら連絡をもらえるように伝えました。
もちろん、ご家族了承のうえです。
障害者施設に行ったとき、施設長さんから「お元気な時には、施設にいる子供たちが外にいると、よくお世話をしてくれていたので助かっていました。今度はこちらがお手伝いする番ですね」と言ってくださいました。
元々お世話好きて、人当たりも良く、信頼があったからこそだと思います。
近所の方の理解があると、認知症があっても一人で生活ができます。
本当にありがたいなと思っていました。
2年くらい経ったころ、警察沙汰になりました
この頃になると、ヘルパーも入れていたし、娘さんも細目にお手伝いに行くようになっていました。
そして、ご近所の一部の方たちの見守りもありながら、サービスを利用しながら、なんとか自宅で生活を続けておられました。
顔見知りの方、施設の方やお店の方は理解はありますが、一般の家庭となるとそうはいきませんよね。
突然知らないおばあちゃんが、意味の分からないことを行ってピンポンを押して来たら怖いと思います。
その日も、お人形を抱いて、「この子が泣き止まない」というようなことを言いながら、ご近所を何件も訪ねていかれていたみたいです。
そこで警察に通報され、パトカーが来たんですが・・・
警察がきてパトカーに乗せられようとした時に、パトカーに蹴りを入れて警察の方に嚙みついたそうです(-_-;)
これは病院に入院してもらうしかないということになりまして、入院となりました。
長くなるので続きます。
コメント