
避難所で関わった方の話を少しだけ聞いてください。
テレビで見ていた避難所の話とはちょっと違う状況をわかってもらえてらいいなと思います。
DWATさんから相談が来て福祉避難所に行きました
DWATさんから、社長に相談が来て、福祉避難所に行きました。
福祉避難所って、段ボールのベッドがあって、仕切りは私の腰当たりの高さしかないんです。
ベッドに寝ていれば周りから見えませんが、ベッドに座ると丸見え。
立って見渡すと、全部のベッドのなかが見えますので、プライバシーはほとんどありません。
でも、DWATさんたちが見回り(見守り)をしてくれるので、安心感はありますよね。
そこに、要介護1の奥様と、どうみても要介護状態のご主人夫婦がいて、その方たちの支援をしてもらえないかという相談でした。
自治体からは、介護保険の申請前でも、ケアマネジャーの見立てで介護保険サービスを利用していいですよということでした

通常、介護保険の利用ができるのは介護保険の申請日からです。
でも、申請日には実際の介護度がわかりませんから、暫定でだいたいの介護度を見積もってサービス利用開始するか
介護度が確定するまで介護保険サービスを利用しないかのどちらかです。
※介護保険の申請をしてから、認定調査→審査会→介護決定まで、通常3~4週間程度かかります。自治体によっても多少違いますけどね。
でも、熊本地震の時は非常時でしたので
介護保険の申請をする前からデイサービスとか福祉用具とか使っていてもいいですよということでした。
避難所にいると、認知機能は低下するし、身体の動きも悪くなります。
行動範囲が限られているし、今までの状況と大きく変わるし、仕方のないことですけどね。
なので、そこを維持できるようにまずはデイサービスに行って、安全な環境で入浴してほしいし、あったかいご飯を食べて、運動をして、レクレーション等に参加してリフレッシュできるといいなと考え、提案しました。
奥様は要介護1でしたので、もちろんデイサービスは利用できるし、本人も「行ってみたい!」と乗り気でした。
ご主人は熊本弁で言うと【肥後もっこす】で、いい意味でも悪い意味でも、ものすごーく頑固な方です。
奥様は、「この人は【もっこくりん(肥後もっこすの最上級の言い方らしいです)】だけん、みんなとケンカばっかりしてから恥ずかしか」と言われていました。
どこからどうみてもご主人も介護保険の対象だよね、とDWATの方たちとも話をして、介護保険の申請をする一方で、ご夫婦でデイサービスに行く段取りをしました。
デイサービスに一度は行って楽しまれましたが、ご主人はもう行かないと言い出しました

これ、あるあるです。
デイサービスに行ってみたものの
「あんなとこ、年寄ばっかりで自分が行くところじゃない!」って言われる方って本当に多いんですよね( ̄▽ ̄;)
女性は割とデイサービスに行っても楽しめる方が多いんですが、高齢の男性は特に馴染むのが上手じゃないし、居場所がなくてもう行きたくないって言われる方が多くいます。
普通だったら、じゃあ別のデイサービスを試しましょうと言いたいところですが、地震で営業しているデイサービス自体が少なくて、そこしか利用できるところがありませんでした。
で、結局奥様だけ続けて行くことになったんですが、肥後もっこすのご主人とケンカをして、ご主人は自宅に帰ってしまいました。
自宅は断層の真上だったみたいで、自宅自体が傾いていました

地震の後、家屋調査が住んでいる家は、赤、黄、青のポスターみたいなやつが貼られています。
もちろんこの方の自宅は《危険》と書かれた赤い紙が貼ってありました。

この方は、元々、長男様と老夫婦の三人暮らしでした。
その自宅はちょうど断層の真上だったみたいで、家自体が傾いて、自宅の水道管が破損していて、道路の水道管が通っていてても自宅で水が出るのは台所だけ、床も踏んだら壊れそうな箇所が何か所もあるような自宅です。
まずは、ご主人が避難所にずっといたくないと言って、そんな危険な状態の自宅に帰ってしまわれました。
ご主人は杖を突いておられましたが、腰が曲がって歩くのはフラフラしているし、お話をしていると認知症があるんだなと感じる方です。
数日後、奥様もご主人が心配だったのか自宅に帰ったとDWATの方から聞きました。
自宅に帰ったと聞いて、自宅を訪問してみました

自宅には長男様もいたんですが、ご両親には全く関心がない様子。
でも、仮設住宅への入居が優先的に決まったということで
奥様は腰が痛いと言いながら、自分しか家のことをしないからと色々と忙しくされていて、避難所にいたときよりも顔色が悪くて本当に心配でした。
自宅を訪問すると、腰が痛いと言いながら、仮設住宅に引っ越す準備を奥様一人でされていました。
お風呂はどうしているのかな?食事は?トイレは?転んだりしてないかな?と色々と心配でしたが、長男様もいることだし、とりあえず様子を見るしかありません。
せめて、奥様にはデイサービスに行って、その間だけでもゆっくりとした時間を過ごしてもらえたらいいなと思いました。
その時、長男様は何をしていたかと言うと…のどが痛いということで自室で寝ておられました。
んー何というか…長男様が仮病だとは思いませんが…
息子とはいえ、もう50歳を過ぎた立派な大人なので、お母さんのことをもう少し労わってもらえないかなとか思っちゃいました( ノД`)ゴメンナサイ…
ご主人の介護保険の結果は、要支援1でした
ちょっと、この結果には悪い意味で驚きました。
DWATさんたちにも情報共有をしましたが、みんなびっくりです。
自治体によって、多少差があるとはいえ、私たちが今まで経験してきたなかで、この方が要支援1だとは到底想像もできませんでした。
でも、介護度はケアマネジャーが決めることはできませんので、仕方ありません。
おまけに、ご主人は介護保険サービスの利用を拒否されているので、更にどうしようもありません。
私たちにできることは、今の状態を自治体、包括支援センターに情報提供して、一緒に見守ってもらうようお願いすることだけです。
今の状況について
奥様は要介護1なので、デイサービスに行ってもらえるよう調整を続けていますが、「デイサービスにはいきません」と言い出されました。
そして、仮設住宅に引っ越しできるようになってから一ヶ月ほど経過しますが、まだ引っ越しの準備をされているようで、あの危険な自宅にまだ住んでおられます。
ケアマネジャーとしては、月に一度のモニタリングに行って、色々と話をしますが状況は変わりません。
今後も状況を見ながら色んな提案をしていきますが、まだまだ問題は山積みです。

私たちが関わっている方はほんの数人ですが、他にも同じような状況の方がたくさんいると思います。
自治体の方も一生懸命頑張っておられると思いますが、細かいところまでは難しいと思います。
私たちにできることを見つけながら、まだまだ頑張らなくてはいけないなと思っています。





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